Freerouting

Freeroutingとは?

Freeroutingは、プリント基板(PCB)向けのオープンソースのオートルータです。READMEでは、「標準のSpecctraまたはElectra DSNインターフェースをサポートするすべてのPCBプログラムに対応した高度なオートルータ」と説明されています。設計ツールが基板をSpecctra設計(.dsn)ファイルとしてエクスポートし、Freeroutingがそれを配線して、設計ツールがインポートするSpecctraセッション(.ses)ファイルに結果を書き出します。ほかのオートルータと同じく、部品がすでに配置された基板を配線します。

FreeroutingのライセンスはGPL-3.0です。プロジェクトはWindows、Linux、macOS用のインストーラーと、Java上で動作する.jarファイルを提供しています。READMEのJavaの手順ではバージョン25が指定されているので、ダウンロードするリリースの要件を確認してください。

KiCadでFreeroutingを使う方法

KiCad 6.0以降では、プラグインを通じてKiCadからFreeroutingを起動できます。Freeroutingの統合ガイドには、次の手順が記載されています。

  1. KiCadでTools > Plugin and Content Managerを開き、Freeroutingプラグインを検索してインストールします。
  2. PCBエディターで基板を開きます。新たに実行を試す場合は、基板のコピーで作業し、既存のトラックとビアを削除します。
  3. Tools > External PluginsからFreeroutingを起動します。
  4. Freeroutingの完了を待ちます。プラグインが配線結果を既存のKiCad基板にインポートします。

Freeroutingはコマンドラインからも実行でき、ほかの設計ツールやスクリプトによる実行に使えます。ドキュメントには、設計ファイルを読み込んでセッションファイルを書き出すjava -jar freerouting.jar -de MyBoard.dsn -do MyBoard.sesと、インターフェースなしで実行する--gui.enabled=falseが記載されています。KiCad以外にも、READMEにはAutodesk Fusion、Target3001!、EasyEDA、tscircuit、pcb-rndとの統合が挙げられています。

Freeroutingの完了後に確認すること

配線済みの基板は、設計ファイル内のルールの下でネットを接続しています。結果を受け入れる前に、次の点を確認してください。

  • 銅ゾーンを再充填する。配線前に行ったゾーンの充填は古くなっており、KiCadのDRCは古い充填に対して誤った結果を報告することがあります。DRCダイアログでは、実行前にすべてのゾーンを再充填できます。
  • DRCを実行し、未接続アイテムを確認する。Freeroutingは常に完了するとは限りません。A6M-Zeroのテストでは、17パス後に49本の接続が未接続のまま頭打ちになりました。
  • 回路図と照合する。KiCadのDRCではPCBと回路図の整合性をテストでき、一致しないフットプリントやネットを検出できます。
  • ルールでカバーされない点をレビューする。インピーダンス、戻り経路、等長配線、デカップリングの配置はエンジニアによるレビューが必要です。デザインルールチェックはファイルに書き込まれたルールしかテストしないからです。

FreeroutingのAPIとMCPサポート

Freeroutingは現在ベータ版の公開APIを提供しており、ルートはapi.freerouting.app/v1です。READMEによると、すべての機能を使うにはアクセスを申請する必要があり、APIを自分でホストすることもできます。FreeroutingはModel Context Protocol(MCP)にも対応しており、Cursor、Cline、Claude DesktopなどのAIコーディングアシスタントが「システムの状態を問い合わせ、ユーザーに代わって基板を自動配線」できます。MCPガイドでは2つの構成を説明しています。ローカルへのインストールが不要な公開API経由のホスト型と、自分のマシンで配線エンジンを動かすローカル型です。そのツールは.dsnファイルをアップロードし、配線ジョブを実行して、配線済みの.sesファイルを返します。

FreeroutingのMCPサポートが公開するのは、その配線エンジンです。一方、KiCad MCPサーバーは開発者が実装したKiCadの操作を公開するもので、その中にFreeroutingとの連携が含まれる場合もあります。

AI PCBレイアウトのワークフローにおけるFreerouting

AIアシスタントは、より大きなワークフローの1ステップとしてFreeroutingを実行できます。NextPCBのKiCadテストでは、GPT-6 Astraが配置済みの基板をFreeroutingにエクスポートして結果をインポートし、約12分後には配線済みの基板が得られました。KiCadのインターフェースだけで作業した場合、1時間で描けたトレースセグメントは3本でした。A6M-Zeroのテストでは、Freeroutingは17パス後に69本の接続を配線し49本を残して頭打ちになり、残りの接続はClaude Fable 5が完成させました。QuilterのGPT-6 Astraシリーズ第2回では、公開されたAstraのテストを詳しく比較しています。

よくある質問

Freeroutingは無料ですか?

はい。FreeroutingはGPL-3.0ライセンスのオープンソースで、Windows、Linux、macOS用のインストーラーと、Java上で動作する.jarファイルがあります。公開APIはベータ版で、READMEによると、すべての機能を使うにはアクセスの申請が必要です。

Freeroutingは部品を配置しますか?

いいえ。Freeroutingは部品がすでに配置された基板を配線します。配置は、.dsnファイルをエクスポートする前に設計ツールで行います。

KiCadでFreeroutingを使うにはどうすればよいですか?

KiCad 6.0以降で、Tools > Plugin and Content ManagerからFreeroutingプラグインをインストールし、PCBエディターで基板を開いて、Tools > External PluginsからFreeroutingを起動します。Freeroutingが完了すると、プラグインが配線結果を既存の基板にインポートします。結果を受け入れる前に、ゾーンを再充填してDRCを実行してください。

Freeroutingはどのファイル形式を使いますか?

FreeroutingはSpecctra設計(.dsn)ファイルを読み込み、Specctraセッション(.ses)ファイルを書き出します。コマンドラインからは、配線済みの.dsnファイルやEagleのセッションスクリプト(.scr)も書き出せます。

AIアシスタントはFreeroutingを使えますか?

はい。FreeroutingはMCPに対応しているため、Claude Desktopなどのアシスタントが基板を送り、配線結果を受け取ることができます。NextPCBのKiCadテストでは、GPT-6 AstraがFreeroutingを使って配置済みの基板を配線しました。ただし、配線結果を受け入れる前に、ゾーンの再充填、DRC、エンジニアによるレビューが必要です。

完全に配線された基板なら設計は完了ですか?

いいえ。配線は、設計ファイル内のルールの下でネットを接続するだけです。ゾーンの再充填、DRCの実行、回路図との照合に加え、インピーダンス、戻り経路、デカップリングなど、ルールでは捉えられない要件のレビューも必要です。

関連用語

オートルータ · KiCad · KiCad MCPサーバー · デザインルールチェック(DRC) · ネットクラス

関連リソース

出典

A6M-Zero「This PCB Is Brought to You by Fable 5」2026年9月4日。https://a6mzero.com/posts/this-pcb-is-brought-to-you-by-fable-5/

Freerouting「Command Line Arguments」GitHub、2026年10月20日閲覧。https://github.com/freerouting/freerouting/blob/master/docs/command_line_arguments.md

Freerouting「Freerouting」GitHubリポジトリ、2026年10月20日閲覧。https://github.com/freerouting/freerouting

Freerouting「Integrations」GitHub、2026年10月20日閲覧。https://github.com/freerouting/freerouting/blob/master/docs/integrations.md

Freerouting「MCP」GitHub、2026年10月22日閲覧。https://github.com/freerouting/freerouting/blob/master/docs/API/MCP.md

KiCad「PCB Editor」KiCad 10.0 Reference Manual、2026年10月22日閲覧。https://docs.kicad.org/10.0/en/pcbnew/pcbnew.html

Quilter「From Freerouting to DRC: Eight Public GPT-6 Astra PCB Tests」2026年10月27日。https://www.quilter.ai/blog/gpt-6-astra-pcb-test-results

Zheng, Carmen「Can GPT-6 Astra Automate PCB Routing? Don't Panic, AI Isn't Replacing PCB Designers Yet」NextPCB、2026年9月。https://www.nextpcb.com/blog/gpt-6-astra-kicad-pcb-routing-test

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