電流容量(許容電流)
電流容量とは?
電流容量(許容電流、アンパシティ)とは、PCB配線が周囲温度に対する所定の温度上昇を超えずに流せる最大の電流です。銅配線に電流が流れると、抵抗損失によってI²Rに比例した熱が発生します(Iは電流、Rは配線抵抗)。発生した熱が、基板や周囲の空気へ逃がせる量を上回ると配線の温度が上がり、基板材料の損傷、はんだ接合部の劣化、極端な場合には銅配線の溶断を招くおそれがあります。
電流容量は、配線幅、銅厚、配線が外層にあるか(空気への放熱が良い)内層にあるか(熱が誘電体に閉じ込められる)、周囲温度、そして許容できる温度上昇(多くの用途で通常10℃から20℃)によって決まります。IPC-2152は、さまざまな条件下で配線の電流容量を算出するための業界標準の図表と計算式を示しています。電源配線、モータ駆動の接続、バッテリ充電回路などは、動作電流を過度な発熱なしに流すため、信号配線よりはるかに広い配線幅を必要とするのが一般的です。
AIレイアウトにおける電力を踏まえた配線幅の決定
電流容量は、配線密度や基板面積と交差する物理的制約です。電源配線を太くすればそれだけ配線スペースを消費し、電源部品の周囲で混雑を招きかねません。物理駆動型AIレイアウトツールは、想定される電流負荷に基づいて電源配線の幅を自動的に決め、各電源ネットに十分な銅幅を確保しつつ、信号配線の密度への影響を最小限に抑えられます。この自動化により、混雑した領域で電源配線が細すぎたり、逆に信号配線に回せたはずの領域で太すぎたりするという、手作業のレイアウトでよくある問題がなくなります。





