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この記事は、Quilterの物理法則に基づくレイアウト自動化を使い、NXP i.MX 8M Mini搭載コンピューターを再現した過程を詳しく紹介するシリーズの一部です。
キャロル・エリクソンは、40年近くを世界で最も複雑なエンジニアリング組織のひとつ、Northrop Grummanで過ごしました。機密衛星システムのエンジニアリングチームを率い、宇宙システム全体のデジタルトランスフォーメーションの取り組みを管理し、米国の次世代ICBMプラットフォームのような重要なプログラムの舵取りにも携わってきました。しかし、プログラムの成否を本当に分けるものは何かと尋ねても、彼女がまず予算や仕様、スケジュールについて語ることはありません。
彼女が語るのは人についてです。そしてシステムについて。さらに、その間にあるコミュニケーションについてです。
「最も大きなこととして思い浮かぶのは」と彼女は私に語りました。「システム思考、そしてコミュニケーションです。分野を超えて橋を架け、各部分がどう組み合わさるのかを本当に理解する力。それを教えるのは簡単ではありません。でも、不可欠なのです」
私たちの会話は、初期の失敗やシミュレーションツールから、ペイロードを設計するようにチームを設計するとはどういうことかまで、幅広い話題に及びました。しかしその核心にあったのはシンプルな考えです。ハードウェアをつくることは、決してハードウェアだけの話ではない、ということです。
フライトソフトウェアからデジタルトランスフォーメーションの最前線へ
キャロルは大学卒業後すぐにNorthrop Grummanに入社し、衛星システムのフライトソフトウェアに没頭しました。彼女の技術的な基礎は確かなもので、宇宙環境ではソフトウェアとハードウェアがいかに密接に絡み合っているかを早い段階で学びました。
「姿勢制御、熱制御、通信システム、そのすべてを理解しなければなりませんでした。ただコードを書いているときでさえ、システムエンジニアのように考えることを強いられたのです」
その考え方が彼女をミッション運用へ、次にシステムエンジニアリングへ、そして最終的にはプログラムおよび経営幹部としてのリーダーシップの役割へと導きました。ステップごとに視野は広がりましたが、彼女は同じ課題の周りを巡り続けました。技術分野間をどう調整するのか。後期の思わぬ問題をどう避けるのか。そして、失敗が許されずシステムが巨大なときに、どうチームの足並みを揃えるのか。
彼女の答えは、次第に構造とコミュニケーションに行き着きました。
「エンジニアリング担当VPとして、私が最も注力したことのひとつは、サイロを取り払うことでした。そしてデジタルトランスフォーメーションに移ってからは、チーム間だけでなく、エンジニアリング、調達、製造、プログラム管理といった部門を超えたコミュニケーションを可能にすることがテーマでした。そのすべてです」

レビューが遅すぎるとき
キャロルは落ち着いた雰囲気の人ですが、彼女の話には重みがあります。特に印象的だったのは、彼女がペイロードマネージャーを務めた国の大規模な気象衛星プログラムの話です。その仕事では、複数のセンサーの製作を管理する必要がありました。それぞれが異なる請負業者によるもので、どれも厳しいスケジュールの下にありました。
そして、試験で不合格が出始めたのです。
「5つの異なる実績ある航空宇宙請負業者のセンサーがありました。それがひとつずつ、電気試験、熱試験、振動試験の最中に不合格になっていったのです。私たちは打ち上げや宇宙の条件を模擬する『飛ぶように試験する』を実践していました。それなのに、これらはとにかく持ちこたえられなかったのです」
根本原因は製造ではありませんでした。プロセスでした。
「私たちは顧客からセンサーの設計を引き継いでいました。顧客側は、そのセンサーが以前に宇宙で運用された『飛行実証済み』のものだと思い込んでいたため、適切な設計レビューを行っていなかったのです。そして私たちも、それを検証し直すことはありませんでした。そのため、設計段階で見つけるべき問題を、試験の終盤になって発見していたのです」
解決策は? レビュープロセスを強化し、すべての部門が議論の場に加われるようにすることでした。
「基本設計、詳細設計、試験準備といった主要なレビューはすべて、学際的でなければなりませんでした。電気エンジニアが熱の専門家の話を聞く必要がありました。ペイロード統合のリードが、ソフトウェアや電源のチームと話す必要がありました。そうしたレビューこそが会話の生まれる場です。そこから本当のインテグレーション作業が始まるのです」
小文字の「a」で考えるアジリティ
キャロルはアジャイルの支持者です。ただし、条件付きです。
「Northropでは、『大文字のA』と『小文字のa』という言い方をしていました。『大文字のA』は、アジャイルのルールを教科書どおりすべて守ることを意味します。しかしハードウェアでは、それが要求定義や厳密な試験を犠牲にすることがあります。『小文字のa』は、反復、迅速なフィードバック、対応力といった原則を取り入れ、賢く適用することを意味していました」
彼女は教条主義者ではありません。実践的なのです。
「アジャイルの手法は、自分たちの製品、チーム、業界に合わせて調整しなければなりません。アジャイルと従来のシステムエンジニアリングの両方を理解している強いリーダーがいるとき、アジャイルが見事に機能するのを見てきました。そして、それがチェックボックスを埋めるだけのものになったときに失敗するのも見てきました」
彼女が何度も挙げる実現要因のひとつが、シミュレーションです。
「性能を早期にシミュレーションできれば、早期に反復できます。そこでスピードが生まれるのです。試作品が試験台の上で振動でばらばらになるのを待つ必要はありません。まだソフトウェア上にあるうちに、モデル化し、テストし、調整するのです」
彼女のチームは、RF、熱、システムレベルの解析のための堅牢なライブラリを備えたAnsysのシミュレーションツール群などを活用していました。しかし最高のツールがあっても、成功は構造と文化にかかっていました。
「問題にツールを投げつけるだけではだめです。訓練されたエンジニア、反復のリズム、そしてあらゆる方向に流れるコミュニケーションが必要です」

現場でのシステム思考とは
キャロルはシステム思考を美化しません。それを教えるのは難しく、実務に落とし込むのはさらに難しいとはっきり言います。しかし、それは不可欠だと信じています。
「多くのエンジニアは、自分の専門分野について確かな基礎を身につけて学校を卒業します。でも、分野を超えたコミュニケーションは? システムレベルのトレードオフに取り組むことは? それには経験が必要です」
彼女にとってシステム思考とは、自分の領域の先を見通し、設計上の判断がプログラム全体にどう波及するかを理解することを意味します。
「基板レイアウトを最適化することと、そのレイアウトが放熱、ケーブル配線、統合、試験時のアクセス性にどう影響するかを理解することは、まったく別の話です。もっと多くのエンジニアに、そのレベルで考えてほしいのです」
彼女は大学で分野横断の機会を増やすことを支持していますが、今日でもギャップがあると感じています。
「それは今でも例外的なことがあまりに多いのです。学生が特別なロボティクスプログラムや卒業設計課題に参加しない限り、システム全体を見渡す経験に出会うことはないかもしれません」
彼女はまた、エンジニアがこの考え方を身につけていく過程を支援することを大切にしています。
「システムの経験がないまま私のチームに加わった、非常に優秀なエンジニアたちがいました。でも、経験を積む機会、メンタリング、そして適切な構造を与えれば、彼らは急速に成長するのです」
エンジニアリングの成功における文化の役割
私たちの会話の中で特に示唆に富んでいたのは、チームの力学に関する部分でした。成功しているチームをどう測るのか。そして、そうしたチームをどうつくるのか。
「優れた指標がいつもあるわけではありません」とキャロルは言いました。「効果性をある程度把握するためにエンゲージメント調査を使っていました。でも正直なところ、ほとんどは観察によるものです。コミュニケーションが流れているときと流れていないときを感じ取れるほど、チームの近くにいる必要があります」
彼女が強調したのは、定期的な接点でした。監視ではなく、リズムです。
「タスクの複雑さに応じて、毎日または毎週のスタンドアップを行っていました。でも同時に、オープンドアの文化もありました。何かが起きれば、オンラインでも対面でも集まって話し合いました。誰もが、いつでもそれを求めてよいとわかっていたのです」
彼女はまた、成功がしばしばさりげない足並みのそろいとして現れることも指摘しました。会議で互いの考えを先回りして言い合えること。エンジニアが頼まれなくても部門を超えて問題を解決すること。設計チームと試験チームが共通のメンタルモデルに基づいて仕事をすること。
「それを強制することはできません。でも、可能にすることはできます」

変化と、変わらないものへの思い
キャロルのキャリアは、何世代ものテクノロジーにまたがっています。彼女は、父親がアポロ計画のエンジニアとして、手で製図し、計算尺で計算していた姿を覚えています。
「これほど少ないツールで彼らが成し遂げたことは驚くべきことです。そして今、シミュレーション、AI、統合されたツールチェーンによって、私たちははるかに多くのことができます。でも、核心は変わっていないと思います」
彼女にとってその核心とは、思慮深いエンジニアリングです。丁寧な設計。きちんと機能するチームワーク。ミッションに対する責任感。
現在、彼女は自身のエンジニアリングコンサルティング会社を立ち上げ、新たな役割に踏み出しています。パンフレットを書く中でさえ、彼女は「翻訳」の教訓を学び直すことになりました。
「ブランディングに詳しい友人に送ったんです。彼はワクワクする内容だけれど、まったく理解できなかったと言いました。それで思い出したのです。技術的なコミュニケーションには常に文脈が必要だと。仕事が複雑であっても、相手の立ち位置に合わせなければならないのです」
現場で積み重ねたキャリアからの教訓
キャロルが自身の仕事について語るのを聞きながら、私はある考えに何度も立ち戻りました。この人はハードウェアと文化の両方をエンジニアリングしてきた人だ、ということです。彼女は製品をつくってきただけでなく、優れた製品が形になる環境もつくってきたのです。
いくつかの教訓:
- 設計レビューは重要:規則遵守のためではなく、対話のためです。レビューは、部門横断チームが足並みを揃え、小さな問題が大きくなる前に見つかる場です。
- シミュレーションは力を倍加させる:モデリングツールと専門知識に早期に投資することで、時間、明確さ、自信が生まれます。推測を行動に変えるのです。
- アジャイルは考え方であり、ルールブックではない:成功するチームは、反復し、適応し、コミュニケーションを取ります。それがアジャイルかどうかよりも、うまく機能しているかどうかのほうが重要です。
- システム思考はスキルであり文化である:エンジニアは、適切な構造と経験の機会があれば、それを身につけていきます。リーダーはその成長を加速させることができます。
- コミュニケーションは静かな原動力:ペイロード設計からデジタルトランスフォーメーションまで、成功するプロジェクトは、人々が境界を越えて話し、そして耳を傾けるプロジェクトです。
キャロル・エリクソンは、現代で最も難しいエンジニアリング課題のいくつかにおいてチームを率いてきました。しかし際立っているのは、彼女の経歴だけではありません。彼女の明晰さです。忍耐強さです。技術的な成功と人間的な成功を切り離さない姿勢です。
それこそがHardware Rich Developmentの核心です。そして、この分野にもっと必要なのは、まさにそうしたリーダーシップなのです。
























